1.名 称 掘り出し杭の出来栄え調査及びコンクリート強度試験
2.試験場所 (出来栄え調査)福岡県大野城市乙金3丁目地内
試験機関 (コンクリート強度試験)株式会社麻生建設コンサルティング事業部
3.施工方法 GSB工法(施工期間)平成19年10月3日~平成19年10月5日
4.期 間 (出来栄え調査日)平成19年11月 7日
(コンクリート強度試験日)平成19年11月15日
5.支持地盤 花崗岩(N値50/1)
6.杭仕様
杭仕様
軸部径 | 拡底施工径 | 掘削長 | 杭天端 | 杭実長 | 本数 | 孔内水の有無 |
---|---|---|---|---|---|---|
φ1500 | φ2500 | GL-14.000m | GL-8.500m | L=5.5m | 1 | 有水 |
掘り出し杭の断面図及び明細
掘り出し杭の断面図 | 明細 | |
---|---|---|
有効拡底径 | φ1500-φ2400 | |
拡底施工径 | φ1500-φ2500 | |
主 筋 | 15本-D25 | |
帯 筋 | D13@300 | |
補 強 筋 | D25@2500 | |
呼び強度 | 30N/mm? | |
設計基準強度 | 27N/mm? |
7.試験方法
GL-14.0mにおいて築造した拡底杭を掘り出した上で、スタッフを当てて実測をして、拡底部の形状及び寸法(拡底施工径、拡底高、傾斜高、立上高、傾斜角度、ポケット高、スライム量)の確認を行なった。 測定地点は、掘り出し杭の断面図に示す4箇所で測定を行った。測定地点は方位と一致させ、東方向を①として反時計回りに②~④とした。
杭底面のスライム量の確認は、底面を25cmピッチで区切り合計76箇所で計測を行なった。尚、底ざらい処理はハンマーグラブを用いて行なった。
また、掘り出した杭の拡底部から、直径100mmのコンクリートコアを20個採取し、JIS A 1107 『コンクリートの圧縮強度試験方法』、JIS A 1149 『コンクリートの静弾性係数試験方法』に基づいて、圧縮強度試験並びにその半数において静弾性係数試験を行なった。
8.柱状図
設計値 | 実測値 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
① | ② | ③ | ④ | 平均 | ||
軸部径 | 1500mm | 1500mm | 1500mm | 1500mm | 1500mm | 1500mm |
拡底施工径 | 2500mm | 2530mm | 2530mm | 2530mm | 2530mm | 2530mm |
傾斜角度 | 12度以内 | 11.9度 | 11.8度 | 11.8度 | 11.9度 | 11.9度 |
傾斜高 | 2350mm | 2450mm | 2460mm | 2470mm | 2450mm | 2458mm |
拡底高 | 2850mm | 2950mm | 2960mm | 2970mm | 2950mm | 2958mm |
立上高 | 500mm以上 | 500mm | 500mm | 500mm | 500mm | 500mm |
ポケット高 | 500mm | 530mm | 460mm | 450mm | 490mm | 483mm |
孔底スライム量 | 管理値 50mm以下 |
(軸部)4mm~29mm(拡大部)3mm~70mm | 11mm |
計測地点①
計測地点②
計測地点③
計測地点④
ポケット高
計測地点②
設計値500mm | 実測値平均840mm | |
計測地点① | 設計値500mm | 実測値870mm |
---|---|---|
計測地点② | 設計値500mm | 実測値940mm |
計測地点③ | 設計値500mm | 実測値680mm |
計測地点④ | 設計値500mm | 実測値870mm |
スライム量計測箇所
スライム量計測状況
図① スライム量分布図
図② スライム量のヒストグラム
孔底のスライム量の分布状態およびスライム量のヒストグラムは図①・Ⅴ②に示す。また、孔底のスライム付着状況は、写真①・②・③に示す。分布状況は軸部で4~29mm、拡大部では3~70mmとなっている。スライム量は最大で70mm付着している箇所が数箇所あり、凹凸もかなり見られる。これは、ハンマーグラブを下げた時、岩片等が拡大部にとびちり、また上げた時にハンマーグラブからこぼれ落ちたのではないかと考えられる。しかし、図-①の分布状況から分かるように、全測定76箇所の内42箇所においては0であり、全体としては、満足できる結果となっている。
拡底部の各形状・寸法の測定は掘り出した杭体で行った。杭体には土砂や岩が付着しており、その影響により設計値より全体的に大きくなっているが、概ね設計値を満足する値であった。
しかし、ポケット高の寸法・形状については、設計値を下回った。この対策として、GSB専用の底ざらいバケツにより、最終の底ざらい処理をして孔底状況の確認を行なう事とする。
写真① スライム量計測状況写真
写真② スライム量計測状況写真
写真③ スライム量計測状況写真
コンクリート強度試験結果は下記に示す通りである。
コンクリートコアの圧縮強度及び静弾性係数試験成績表